2011年12月14日水曜日

十和田+アート=新しい青森を感じた。十和田市現代美術館を訪問

昨日は一日中晴天、真っ青に晴れ渡った。ぼんやりと赤くなった月、皆既月食楽しんだ。
今朝は一面の銀世界。吹雪いているので前後左右真っ白。
雪は昼を過ぎると止んだものの、ねずみ色の曇天。

この天気と寒さ。普段は憂鬱な一日のはずも今日は違う。
まるで一日半で四季折々の「色」を楽しめた、そんな気分にしてくれた場所を訪れた。

十和田市にある「十和田市現代美術館」だ。

今回は家族がいない一人旅。いつもと違う青森、東北を楽しみたい。どうしようかと考えた。

そうだ「アート」だ。

十和田市現代美術館の噂は最近聞いたことがあった。とても面白い、と。
青森での楽しみはもっぱら「食」ではあるのだが、いつもとは違うなにかを今回の旅ではすごくしたい。いろんな側面の東北をみてみたい。
なぜかそんな気になっていたときに美術館はとてもすんなりと気持ちに入ってきた。
せっかくの一人旅、すこし時間をかけても立ち寄ってみたい!

津軽から十和田へ。
車ではない、電車、バスでのアクセス。
浪岡駅、新青森駅、新幹線で八戸駅。
八戸駅からはバスで十和田市まで。ローカル線も使っての移動、時間はかかるものの、わくわくする。ゆっくり行くのも旅を旅っぽくしてくれる。
雪もまだ降っている。
到着したときには16時。もうこの時期だと暗くなり始めている。
10分ほど歩くと、十和田市現代美術館らしい建物が、いや絶対に美術館だ。
暗くなりかえていた町の中に、大きなキノコ、壁一面がキャンバスになった絵、それと入り口が見つからない、、、モダンな建物。十和田市現代美術館に到着。

アクセスはこちらから

12月は加藤久仁生展も開催中、2009年に「つみきのいえ」で米国アカデミー賞の短編アニメーション賞を受賞した方の展示。原画、そしてご本人もいらっしゃったそうです。
夜には彼の作品で音楽を担当されていることがあるいう栗コーダーカルテットさんたちのコンサートもある。


  加藤久仁生展は1月9日まで開催です。こちらに詳細
  栗コーダーカルテットさんの公式サイトはこちら


当日は完売のコンサートもあり多くの人で賑わっていた。
リハーサルなどの準備などでとても忙しいにも関わらず特任館長の小林央子さんがご案内をしてくれた。


美術館のすばらしさに圧倒される中、私はこんな質問をしないといけなかった。


 「なぜ十和田市にこのような美術館があるのですか?」


近年、省庁再編による国の事務所の統廃合や合同庁舎整備に伴う出先機関の転居などにより、市のシンボルロードである官庁街通りに多くの空き地が見られるようになりました。そのため、十和田市ではより魅力的で美しい官庁街通りの景観を作り出すとともに、未来へ向けた新しいまちづくりの一環として「Arts Towada」計画に取り組んできました。 (十和田市現代美術館のホームページから)

町の中心に「空き地」が増えることで、その打開策としての美術館。
0からというより0以下からのスタートだったんですね。
産業、経済活動が少なくなる中、誰かが声を上げて、誰かが共鳴して、こうして美術館、美術館を中心とした芸術のエリア、そしてここを訪問する人たちが生まれたんですね。

館長はこんなこともおっしゃってました。

「青森には自然をはじめとしたリソースがたくさんあるんです。このリソースを活用すればいいです」

本当です。活性化には箱だけではだめなんです。箱をつくったとしてもその箱と「人」「地域」「自然」などの生きたリソースがつながらないと本当の活性化にはならないんだと実感させてくれる十和田市現代美術館でした。

東北の冬は厳しい。長いし、寒いし、暗い。
地域経済が不調になることで、シャッター商店街、空き地などが増えます。現実に文句をつけるより、いかにしてその現状を打破するのか、あたらしいものを生み出していくのか?
東北の暗い冬も、とてもユニークな「色」なのかもしれません。大事なのは、物事をどの方向から、どのように見るのか?意味を作り出すのか?

館長の言葉が印象に残りました。

「夕方、暗くなると違う色を楽しめるんです。冬、冬だから楽しめる色があるんです」

今度はぜひ、違う季節の違う時間にこの十和田市現代美術館を訪問したくなりました。
そのときは、オノヨーコさんの「念願の木 Wish Tree for Towada」は「緑」で覆われているはずですね。


関連リンク

十和田市現代美術館
http://www.city.towada.lg.jp/artstowada/index.html

特任館長の小林央子さんのブログ
http://www.yokomotion.com/yoko-in-motion

十和田市現代美術館のスタッフの方々のブログ
http://ameblo.jp/towadaartcenter


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