2011年12月26日月曜日

なぜ「ラーメン」を「そば」という!? 香園さんで支那そば

津軽そばの後は「支那そば」


津軽そばを頂いた後は、津軽のラーメン「支那そば」。香園さんへ。私の津軽で最もお気に入りの「そばや」さんです。
青森では、ラーメンを食べるときも、「そばを食う」と言う。津軽そばを学んだ後でちょっと気になって青森のラーメンをちょっと調べてみた。

津軽ではラーメンをそばと言う


調べてみると、最もな情報があった。

「津軽ではラーメンを「支那そば」、あるいはたんに「そば」と言う。煮干しや焼き干しを主体にした和風の出汁で、縮れた細い麺が汁によく絡む。」
「ベースは<津軽そば>の出汁なんですよ。その出汁を利用して、中華(そば)に合うようアレンジしたのが、津軽の<支那そば>じゃないでしょうか」
ライター斎藤博之の仕事から

なるほど、津軽ではラーメンも津軽そばの影響を歴史的に受けているようだ。
こちら香園さんもめん処とうたってある。のぼりにも中華そば、支那そばと「そば」が強調される。
ひょっとすると、津軽では「ラーメン」という表現は歴史的には最近使われるようになったのかも?それまでは「そば」で通っていたのかもしれないと、考えてみた。(戦前の資料を見てみたい)
とにかく、出汁も麺も地元の特徴があるようで楽しい。

津軽のラーメンは魚介系の醤油、麺はちぢれである。子供の頃から慣れ親しんだ味。

先程のサイトから
「これは津軽地方全体の特徴でもあり、南部地方や秋田県・山形県など東北全般の傾向でもあります。たとえば酒田では飛島の飛魚(あご)の焼き干しを使い地元の醤油を用いるなど、それぞれの土地ごとの個性があるのですが、他所の土地の人には区別のつかないほど微妙なものかもしれません。」
「地元の人にしか解からない微妙なものかもしれないが、土地の人の好みがはっきりと現れていて、長いあいだその土地で支持されてきた。それが、その土地のラーメンなのです。」
ライター斎藤博之の仕事から

この様に文化と歴史をちょっと踏まえて見てみると、食事も奥が広がる。

さて、香園さんの「支那そば」
煮干し、焼干しベースの魚介系醤油出汁スープ。化学調味料は一切なし。こちらは煮干し出汁がうり。正統派の津軽の支那そばである。
百年食堂とまで行かないが、香園さんも歴史は長い。創業は昭和23年である。(香園さんのホームページからの情報)

津軽の支那そばの特徴は「ちぢれ麺」私はこのちぢれ麺がたまらなく好きだ。
ちぢれは、おそらく東北地方のラーメンの大きな特長のひとつではないでしょうか?魚介系のスープには兎に角このちぢれがよく合う。

香園さんの麺、かなりちぢれてます。かなり手間がかかるのではないでしょうか?ここまでのちぢれ。
とにかく機械だけでは出ないこのちぢれ、一食の価値ありです。

伝統を踏まえての挑戦


こうしてみると、いつも食べている「そば」も地域の歴史、文化、特性などを背景に長い時間をかけて私達が頂いているんだと改めて勉強させてもらった。

一方で、新しい青森の味にも興味が出て来た。例えば、香園さんの新しい味への挑戦。

ひとつが、前回訪問時に頂いた「特だし煮干し中華そば」名前の通り、特長である煮干しを更に強調。魚粉まで乗せるという魚介系スープの極みの様な支那そば。煮干しの特徴を最大限に出した一品である。

もう一つ目は、牛スジつけ麺である。香園さんでは牛スジの煮付けも一品料理で提供。
あるお客さんが、この煮付けをつけダレにしたいと言った事から発生したメニュー。
牛スジの煮付けをタレに津軽そばを頂く。伝統をもとに新しい試みを、今後の青森の「そば」は進化し続けるであろう。

関連リンク


めん処 香園 私のお気に入りの津軽ラーメンの店。煮干しと自家製麺のちぢれが抜群の支那そば

ラーメンから気質を探る(2)
なぜ青森は煮干しラーメンなのか?

ライター斎藤博之の仕事 今回非常に参考にさせて頂きました。青森の文化、食べ物、風俗などはよくわかります。美味しんぼの100巻で青森を紹介している方だそうです。

青森県のラーメン 津軽のラーメン 前述の斎藤氏の津軽のラーメンに関する情報。ほぼすべてが分かる。


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